2004年11月29日

災害の場所の風景

殺伐とした光景だった。あたりには、人が一人も見当たらない。ただ、自然の力と人口の力がせめぎあう場所だった。

 台風23号の影響を受けた、京都府北部の宮津市海馬町。新潟の地震と時期が同じであっただけに、報道される回数は少ない。災害地の滝馬に近づくにつれ除々に静けさを増す。
 
 遠くから見れば、山の斜面に、横幅15メートルほどの不自然な川が流れている。しかし、近づいてみると、それは倒された木や、土砂、岩がただ転がっている。ブルーシートが引かれていること、ショベルカーが放置してあることから、後処理はしたのであろうが、それでもなお、自然の力を物語る。

宮津11 宮津8
 
 その、下には平らな土地がある。恐らくそこには、家が建っていたのだろう。異常なほど平らな土地。家が全壊するほどの土石流の恐ろしさと同時に、山の斜面に不自然に家を立てる人間の力にも恐怖を感じた。
宮津9 宮津13

 
そして、その流れをたどると、まだ解体されていない家が数軒ある。土石流が壁を突き破り、一階部分が崩壊している。家には木、砂、石が散乱し、人が住めるような状態ではない。その周囲の家は、みな同じ状況。もはや、個人の手で修復できるレベルではない。こに住む住人たちはどうなったのか。この家は取り壊すことすらしないのか。いやできないのか。そういったことは、本当に伝えられているのか。
宮津12 宮津6

 町を歩いていくと、ようやく人に会えた。この風景を目にし、聞きたいことはたくさんあった。しかし、距離が近づき、表情を見た途端声が出ない。悲しげな表情を見てしまったからだ。町の道路には未だに、泥や砂が散乱し、集めた土砂の山がいたるところにある。
宮津5 宮津4 宮津3

 しばらくし、海馬町を出発する。そこから、車で5分ほどの場所にある「天橋立」では、何事もなかったように、観光客であふれていた。
posted by かじゅき at 00:00| 京都 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
写真、すごいね。
話聞くだけでは伝わらないことが、
ひしひしと伝わってきた。

写真があるから、
文章からも重みが伝わってきた。

天橋立からほんの少しの距離なんやね。
光の当たらない場所と、
当たる場所とのギャップ。
怖いね。
Posted by ぐろ at 2004年12月02日 02:42
メディアじゃあまり伝えられないことが、日本でもいっぱいある。

何かの業界研究会で、「ワールドワイドなことについて考えたいって英語とかを勉強したことをアピールする人が多いけど、まずは自分が住んでる身の回りのことを考えろ。自分の身近なことを考えられないで、どうして大きな世界のことを考えられるのか」って言ってた。

京都でも台風で大変な被害があった。でも、全然気にしてなかった。
それって本当に、怖いこと。
改めてそれに気づかされるほど、強烈なメッセージ。
Posted by at 2004年12月03日 00:12
 ほんとに今回はびっくりした。台風来て一月経っても、まだこの現状なのかと感じた。
 というか、手のつけようがない。倒れた木を掃除しても、山には不自然に傷跡は残る。家を解体しても、不自然な平らな土地を見れば傷跡が残る。勿論、何もしなくても、傷跡は残る。

 不自然なほどの静けさ。葬式やってたからかもしれないけど、全く人がいない。工事もしてない。けど、この町を離れると普通に人が溢れる。

 世間の目は新潟しか見てないのかと言っても、新潟も最近ニュースの数は少ない。災害ってそれほど忘れられていくもの。

 その中で京都新聞は、今朝もこのニュースに対する市の対策の記事を書いていた。地方メディアの大事さを痛感したかもしれん。
 ひょっとしたら、今は、俺全国紙より、京都新聞の方が行きたいかもしれん。
Posted by かずき at 2004年12月03日 06:10
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