2004年10月11日

『メトロ大学』

 「メトロ大学開講」
8月某日、私たちは京都のとあるライブハウスに出かけた。今夜、ここで「コスプレ」についての講演会が開かれるという。このライブハウスは、毎週様々な分野の人々を呼び、まるで大学のように講座を展開している。普段はライブハウスなのに、中は暗くてひっそりとしている。ドキドキしながら中に入ると、そこには小さな舞台を前にして椅子がずらっと並んでいた。その光景に多少圧倒されながらも、私たちは迷わず一番前の席を選んだ。すると店の奥のほうがなにやら奇妙な光景だった。コスプレの衣裳に身を包んだ人々が、まだ始まる前だというのに楽しげにアルコールをあおっている。メイドのような服に身を包んだ女の子と、なにかのキャラクターを意識したであろう男の戦闘服…。そしてよくわからないアニメのTシャツの男が二人。皆、一様に異様な雰囲気だったが、どうやら彼らが今夜の主催者であるらしい。そう、彼らこそ今夜の主役であり、そして私たちの講師なのである。
 「えー、では少々時間はずれ込みましたが、これよりメトロ大学“コスプレ講座”、始めていきたいと思います!まず、自己紹介から。私、コスプレ専門店の元店長のもりもりです。どうぞ、本日はよろしくお願いします!」最初に舞台の袖から飛び出してきたのは、小太りで明るいかんじの、俗にいう“今ふう”のオジサマ。アニメのキャラのTシャツさえ着ているものの、聞き取りやすいテンポのある喋りかたでオタク特有の粘っこさはない。「元コスプレ専門店の店長」という言葉と目の前の彼に多少ギャップを感じてしまう。次に、“今ふう”オジサマこともりもりに紹介されて出てきたのは先ほど異様な格好をしていた男である。すらっと背は高く、長めの髪に整った顔立ち。彼の名前はK´(Kダッシュ)。自称レイヤード・日本代表である。そして彼の衣裳は青のマントに白の縁取りの戦闘服。“鋼の錬金術師のイケメンキャラ”の衣裳だという。もりもりの店で買ったとのことで、その衣裳代五万円。その衣裳はキャラの特許をとったロゴ入りの本物の衣裳だそうで、その稀少性からそれくらいの金額はくだらないらしい。はっきり言ってこの手の衣裳は人気のアニメということもあり、似せて作ったものは安くていくらでもある。しかし、あくまで本物にこだわる。そのこだわりと惜しまないお金の使い方に、彼のコスプレに対する熱い思いが伝わってくる。
 *前半は描写やし、量で問題でたら減らすのみ。訂正は特になしです。

  「コスプレの始まり」
「みなさん、こんばんは。K´(Kダッシュ)です。まずはコスプレの歴史について話を進めていきたいと思います!」こう前置きして彼は黒板を使って、非常に興味深い話を始めた。まず、コスプレは二つの意味を持っていたこと。一つ目はおたく文化から派生した趣味、もう一つは社会風俗から派生した女性がするサービスのことである。今日話す内容は、明らかに前者である。まず、コスプレはいつくらいから始まったのか。
「日本には、“オタク”と呼ばれる人種が多いですよね。それは日本の文化においてアニメや漫画が海外に比べてかなり発達していたからなんです。日本では、アニメや漫画はどんどん多様化してきています。そういったこともあり、次第にアニメのキャラクターの格好をする人が出てきた。最初はやっぱり、アニメや漫画にはまってその中に出てくるキャラクターに対する憧れからやり始めるんですよ。僕もそうでした。コスプレイヤー同士がお互いに好きな漫画やアニメを共通の話題にすることで、交流が深まっていったんです」彼はここまで一気にまくし立てた。日本の文化に誇りを持っているのが伝わってくる。1994年頃からコスプレは繁栄期を迎える。そして、コスプレブームはあるモノの普及がきっかけでまた風向きが変わったという。
 「1995〜98年は、コスプレの商業化が始まって、消費概念が拡大していくんです。大体、このあたりから撮影重視のイベントとかが増加してきてコスプレイヤー同士の一体感がなくなってくるんですよね。それはなんでかというと、1998年頃からパソコンの普及が大きいんです。今までとは違ってパソコンの普及で、そのコスプレしてる写真を見て、単純に衣裳がかわいいからとかかっこいいからやるって人も増えてきた。いわゆるブームってやつです。まさにいろんな人がコスプレを気軽にやり始めたんですよ」
彼はそう言うと、ふんと鼻で笑った。その顔は興味本位でコスプレする奴は目障りだ、とでも言いたげだった。彼は言うまでもなく、何年もレイヤーをやり続けているのである。

*下の2行は、モダン系批判をできてるいい文章と思う。
*日本の文化に誇りを持っているのが伝わってくる。ってのを加えた。別にいらんねんけど、いかに変身より知識などに重心を置き始めてるかを表現したい。

  「コスプレ界変動〜共通の世界観の喪失〜」
 このことからわかることがある。それはまさにレイヤー同士の共通の世界観の喪失ではないだろうか。一方は、自分がしているキャラクターのファンであり、もちろんその漫画のストーリーも完璧にわかる。しかし一方で、自分がしているキャラがなんのアニメかさえわからずに、ただその見た目に惹かれてコスプレをする…。彼らの中で達成感や仲間意識はもはや生まれないだろう。いうなれば、最初は一通りしかなかったレイヤーのカタチが分裂したともいうべきなのだろうか。そうなればK’さんのようにコスプレやキャラクターに思い入れがある人は、ますますオリジナルや知識に固執し始める。どうやらコスプレ界に変動が起きていたようだ。     
 そして、さらにK´さんは重要なことを教えてくれた。「今、レイヤーのなかで主流となっているのがコスネームをつけることなんです。彼らはコスネームを作ることによって、『コスプレをする自分』と『コスネームを持つ自分』という二重のロールプレイングをしていることになるんです」コスネーム。この言葉で、コミケ会場でインタビューした本城貴嶺さんを思い出した。彼女もまた、“コスネーム”を持つレイヤーの一人だった。そして彼女はうまく“自分”と“コスプレイヤーとしての自分”と”キャラクターになるコスプレイヤーとしての自分”を使い分けていた。変身の上の変身。それがまさに二重のロールプレイングをするということなのだろう。
そして最後に、自称・レイヤード日本代表のK´さんはこう言った。
「レイヤードとは、『重なった状態』という意味で、私の造語です。ある個人が自らの意思により『衣裳』と『キャラクター』に重なり、全く別の新しい存在になった状態の個体を指すのです。コスプレはまさに、キャラクターと、個人と、衣裳が合わさり『レイヤード』となる、三位一体の技なのです・・」メトロ大学は静かに幕を閉じた。

*二重のロープレの認識が少し違ったし、俺の解釈を書いてみた。
*あくまで俺はK’は近代的と思ってる。だから一文挿入した。

「若者を魅了するコスプレ」
 コスプレをすることは、まさに違う自分になることである。それは見た目(衣装)だけでなく、思考(キャラクター)も、違う自分になりきる。これはK´さんが話すコミケのコスプレに限る話ではない。私たちが取材した、コスプレ焼肉やメイド喫茶にも同じことが言えるだろう。違う自分に変身する。そのために衣装や空間は、変身を手助けする。
私たちは普段髪型を変えたり、服装を変えたり、ちょっとした“変身”を楽しんでいる。その根底には、違う自分になりたいと欲望が潜んでいる。潜在的に変身願望をもつ、今日の若者たちにとって、見た目だけでなく、思考をも変身できるという魅力がコスプレへ走らせているのかもしれない。

*個人主義は抜いてみた。論っぽく見えるから。
*方向性はこんな感じでいいと思う。書き方で悩む。
posted by かじゅき at 00:00| 京都 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めましてこんばんわ。
かじゅきさんの日記拝見し色々と興味深い記事がありましたので感想のメールを送らせていただこうと思ったのですが、私の探し方が拙いのかメールアドレスの項目がありませんでしたのでコチラに失礼いたしました、現在レイヤーをしている者です。

アドレスを教えて頂けるのでしたらソチラに感想のメールを送らせて頂こうと思ったのですが、もし、かじゅきさんのご都合が悪くなれけばアドレスを記載しましたのでそちらにご連絡頂けないでしょうか?

突然の無作法なコメント、申し訳ございません。用件のみですが失礼いたします。
Posted by リンゴ at 2004年10月11日 05:56
 コメントありがとうございます。メールアドレス載ってないです。やから探し方は全く悪くないですよ(笑)

 レイヤーさんに見てもらえるってのは嬉しいことです。是非、率直にどう感じたかを教えていただけると嬉しいです。

 アドレスはkazuki-okumoto@ares.eonet.ne.jpです。返事ぜひぜひ待ってます。
Posted by かじゅき at 2004年10月12日 01:57
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